2006年01月21日
となり村名所あんない(25)−荒川村(1)−隅田川
尾竹橋 荒川村町屋
(旧暦 12月22日)
久女忌 俳誌「ホトトギス」の同人として優れた才能を発揮し、俳句に新しい可能性をもたらした女流俳人杉田久女の昭和21年(1946)の忌日。
晩年、精神を病み昭和11年(1936)にホトトギス同人を除され、俳句界に受け入れられないまま死を迎えた。
蝶追うて春山深く迷ひけり
春のうらゝのすみた河
上り下りのふな人か
かいのしつくも花とちる
眺めをなにゝたとふへき
見すやあけほの露あひて
われにものいふさくら木を
みすやゆふくれ手をのへて
われさしまねくあを柳を
錦おりなす長堤に
暮るれば昇るおほろ月
けに一刻も千金の
なかめをなにゝたとふへき
滝廉太郎(1879〜1903)作曲の名曲として親しまれている「花」は、明治33年(1900)に発表された「歌曲集 四季」の4曲の中の1曲で、「歌曲集 四季」は、「二重唱/花」 「独唱/納涼」 「混声四部合唱/月」 「混声四部合唱/雪」から成っています。
作詞の武島羽衣(1872〜1967)は、美文調韻文詩の創始者落合直文(1861〜1903)の系統をひく人で、明治29年(1896)に東京帝国大学国文科を卒業し、東京音楽学校教授、東京女子高等師範学校教授、日本女子大学教授等を歴任し、宮内省御歌所寄人としてもその名を残しています。
東京音楽学校の教授であったその当時、助教授に滝廉太郎がいて、「花」の歌詞に曲を付けたとのことです。 続きを読む