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2015年10月27日

天文(20)− メシエ天体(4)

  
  

  松蔭吉田寅次郎先生

  (旧暦9月15日)

  松陰忌
  長州藩で松下村塾を開き藩士の子弟を教育した吉田松陰(1830~1859)年の忌日。安政の大獄で捕えられ、安政6年10月27日に伝馬町牢屋敷にて斬首刑に処された。享年30。
  
  かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂
  身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂


  天文(19)− メシエ天体(3)のつづき

  いや〜、ご無沙汰致しております。
  涼しくなって、やっとその気になっております。頑張ります。

  フランスの天文学者シャルル・メシエ(Charles Messier 、1730~1817)が彗星の探索に際して、彗星と紛らわしい103個の天体のカタログを作り、1781年から1784年にかけて発表したメシエ天体(Messier object)の内、愛称で呼ばれる29の天体について、今回はM63からM81 を紹介いたしましょう。

  

  Messier: M63.
  June 14, 1779. 63. 13h 04m 22s (196d 05' 30") +43d 12' 37"
  "Nebula discovered by M. Méchain in Canes Venatici. M. Messier searched for it; it is faint, it has nearly the same light as the nebula reported under no. 59 : it contains no star, & the slightest illumination of the micrometer wires makes it disappear: it is close to a star of 8th magnitude, which precedes the nebula on the hour wire. M. Messier has reported its position on the Chart of the path of the Comet of 1779."


  [観測日:1779年6月14日]
  メシャン(Pierre-François Méchain、 1744〜1804:フランスの天文学者、シャルル・メシエの助手を務めた後に1800年よりパリ天文台長)が猟犬座に発見した星雲。メシエはそれを捜した。暗い天体で、59番でも述べられている星雲と同じくらいの明るさ。星は見受けられず、マイクロメーターのわずかな光が入るだけでも見えなくなってしまう。近傍に8等星があり、この星雲より先に子午線を横切る。メシエは、1779年の彗星用星図中に位置を記録している。


  M63は、通称ひまわり銀河(Sunflower Galaxy)と呼ばれ、重力の制御を失った渦巻銀河のようであり、腕を投げ出したようなめずらしい景観と評されています。約100億個の恒星からなる輝きのこの渦巻銀河は、内側部分と外側部分の結合がゆるい銀河として顕著な例とされ、直径8万6000光年の円盤の広がりをもつM63の内側領域は、強い渦巻き構造によって輪のようになっています。

  
 
  Messier 63 (also known as M63, NGC 5055, or the Sunflower Galaxy)

  

  

  Urania's Mirror;Plate 10: Boötes, Canes Venatici, Coma Berenices, and Quadrans Muralis

   Messier: M64.
   March 1, 1780. 64. 12h 45m 51s (191d 27' 38") +22d 52' 31"
   "Nebula discovered in Coma Berenices, which is about half as apparent as that which is below the hair [M53]. M. Messier has reported its position on the Chart of the Comet of 1779. Observed again March 17, 1781."


  [観測日:1780年3月1日]
  かみのけ座に発見された星雲。かみのけの下部に位置する星雲 [M53] にくらべると、若干目立たない。メシエは、1779年の彗星用星図中に位置を記録している。1781年3月17日にも再び観測されている。
 

  恒星の明るさを比較し、等級が0.41上がるごとにその明るさが二乗に反比例して暗くなること、さらに、1等星は6等星の約100倍の明るさであることを発見したイギリスの天文学者、数学者のサー・ジョン・フレデリック・ウィリアム・ハーシェル準男爵(Sir John Frederick William Herschel, 1st Baronet、1792〜1871)が1833年に残した記録では、M64が ”vsmbm” と記録されています。この記号は、”very suddenly very much brighter toward the middle” (中心部に向かうと非常に急激に大変明るくなっている)ということを意味しています。

  このかみのけ座の有名な黒目星雲は、なめらかでつやつやした絹のような渦巻き腕が、磁器のような中心部を壮麗に覆っていると評されています。この銀河は、人がまぶしい光に目を閉じたようすに似ています。
  M64の暗黒星雲は、直径およそ4万光年、数十億個の惑星を育む土壌としては十分な物質を含んでいます。

  

  The Black Eye Galaxy (M64)

  


  Messier: M65.
  March 1, 1780. 65. 11h 07m 24s (166d 50' 54") +14d 16' 08"
  "Nebula discovered in Leo: It is very faint and contains no star." [also see M66
]

  [観測日:1780年3月1日]
  しし座の中にある星雲。非常に暗く、星を含んでいない。


  M65は、しし座にある渦巻銀河で、M66やNGC3628と非常に接近して見え「しし座の三つ子銀河」(Leo Triplet)とも呼ばれています。M65とM66は、しし座θ星とι星の中間あたりにあり、21′(分:1度の60分の1の角度で、21′は21/60度)しか離れていません。

  

  M65 by Hubble.

  

  

  Urania's Mirror;Plate 20: Leo Major and Leo Minor

  Messier: M66.
  March 1, 1780. 66. 11h 08m 47s (167d 11' 39") +14d 12' 21"
  `Nebula discovered in Leo; its light is very faint & it is very close to the preceding [M65]: They both appear in the same field [of view] in the refractor. The comet of 1773 & 1774 has passed between these two nebulae on November 1 to 2, 1773. M. Messier didn't see them at that time, no doubt, because of the light of the comet.'


  [観測日:1780年3月1日]
  しし座の中にある星雲。非常に暗く、先の天体[M65]に非常に近い。この二つの天体は、同じ望遠鏡の視野の中に見える。1773年と1774年に観測された彗星は、1773年の11月1日と2日の間にこの二つの星雲の間を通った。その時には彗星の明るさのため、メシエはM66を見ていないことは間違いない。

  M66は一般的な渦巻銀河と異なり、いびつな形をしています。2本の腕は非対称な形に変形し、銀河の核も銀河全体の中心から外れた位置にあります。これは、他の2つの「しし座の三つ子銀河」(Leo Triplet)から重力による影響を受けたものだと考えられています。

  

  The colour-composite image of the Spiral galaxy M 66 (or NGC 3627)

 

 The Leo Triplet, with M65 (right top), M66 (right bottom) and NGC 3628 (left). North is to the left.  続きを読む

Posted by 嘉穂のフーケモン at 22:58Comments(0)天文