2006年11月15日
新生代(15)-第四紀(5)-くじらさんの進化(1)
セミクジラ (Northern Pacific Right Whale)
(旧暦 9月25日)
貞徳忌 江戸初期の京都の歌人、俳人松永貞徳の承応2年(1653)の忌日。
九条稙通、細川幽斎に和歌、歌学を、里村紹巴(じようは)に連歌を学び、和歌や歌学を地下(じげ)の人々に教えた。「俳諧御傘」を著して俳諧の式目を定め、貞門俳諧の祖となった。
もう30年以上も前のある秋の夜、おとなりの部屋のロシア文学専攻の5年目の先輩のところに友人の方が訪ねてきました。なんでも北大恵迪寮時代の友人で、今は函館の水産学部の大学院でアザラシの研究をしているとのことでした。
久しぶりだと言うことで、私「嘉穂のフーケモン」がお使いを命ぜられ、当時学生としては贅沢品だった「剣菱」の1升瓶とサンマの缶詰を買いに走りました。
剣菱の茶碗酒を飲みながらその方が話をされるには、
『アイヌ語で「トッカリ」とも呼ばれているアザラシのそれもゴマフアザラシの生態調査のため、紋別港から漁船に乗せてもらって流氷に渡り調査をしていたら、流されてソ連の警備艇に捕まり、スパイと間違えられて尋問されたが、スパイのスの字も出てこなかったので釈放されて戻ってきた・・・・』
というような驚くべき内容でした。
当時のソ連警備艇はオホーツク沿岸の漁民にとっては恐怖の存在で、歯舞島・色丹島周辺では、根室のカニかご漁船が拿捕されて抑留されるという事件がひんぱんに起きていました。
私「嘉穂のフーケモン」も非常に驚いて、次の日となりの5年目の先輩に、「すごい人ですね~」と言ったところ、「な~に、話半分で聞いていればいいんだよ。なにしろ彼はホラ吹き◎藤君といって、有名だから」とのことでした。 続きを読む
2006年11月12日
伝説(5)-ドクトル・ファウストゥス(2)
Johann Georg Faust
(旧暦 9月22日)
伝説(4)-ドクトル・ファウストゥス(1)のつづき
さて皆しゃん、元気にされとったですか?
今宵もファウストゥス博士の恐ろしか話しの続きばしもうそうかの。
悪魔と契約を結んだファウストゥス博士の生活は、安逸と快楽に満たされました。全てのものが彼の掌中にありました。
優雅な衣装、素晴らしいワイン、豪華な食事、美しい女性たち・・・・
彼はその国の最も有名な占星術者になりました。なぜなら彼の星占いは決して失敗しなかったからです。世俗的な拘束を離れ、地獄の底から最も遠い星まで旅をしました。彼はあの世とこの世の知識で学生たちと仲間の学者を驚かせたのです。
しかし、すべての名声と富のために、ファウストゥス博士は悪魔との契約の24年の制限を無効にすることができませんでした。
そしてついには、自分の愚かな行いを悟って、いっそう憂鬱になりました。
彼は彼の若い弟子であるヴィッテンベルグ大学のクリストフ・ワグナー(Christoph Wagner)という名前の学生に、自分の遺産を譲ります。
まもなく、24年目の最後の日の真夜中過ぎ、患うファウストゥス博士の家に集まっていた学生達は、大きな騒動の音を聞きます。最初に恐ろしい嵐の音そして次に叫び声 -先生の最初は恐ろしく、そしてだんだんと弱くなる叫び声-が届きました。
夜明けに、彼らはファウストゥス博士の部屋に危険を冒して行きました。そこには血痕がいたるところにありました。 脳みその小片が壁に張り付いていました。そこで彼らは、眼球とそして少数の歯を発見しました。外では、肥料の山の上に横たわってまだぴくぴく動いている死体を見つけました。・・・・・・
恐ろしかねえ!どげんですか?えずかったですか?
ところで、このおぞましい死に方をしたファウストゥス博士のモデルとなった人物が、実在しとるとです。 続きを読む
2006年11月11日
歳時記(13)-冬(3)-first frost(初霜)
夕暮れの北大恵迪寮 taken by Masaaki Ebina at the middle of 1970’s
(旧暦 9月21日)
A sparkling sunset, oranged to gold,
Rings like a bell of sorrow told,
Across the night of whistling cold;
For now an arm swings near and far
The brittle lamp of every star.
The flowers grow in the garden pied
Velvet, imperial, laughing-eyed,
While on them all hovers a breath,
The whistiling frost of silver death.
-E. Curran : ‘First Frost’
きらめく日没は、オレンジ色から金色になり
悲しみを告げる鐘のように響き渡る
音をたてる冷たい夜のなかを
いま1本の腕が近く遠く揺れる
もろもろの星の砕けやすい光を
花は庭に生えてまだらな
ビロード、荘厳な、笑った目の
その上にひとつの息吹がかかる
銀の死の音を立てる霜が
忙しい日々を送っておりましたが、いつの間にか立冬(11月7日)も過ぎ、冬の季節になってしまいました。
帝都ではまだ初霜は降りていませんが、北国では初雪の便りも聞かれる頃でしょう。
昨日、旧友が上京して来ました。昔とちっとも変わらず、無骨で、不器用で、しかし燃ゆる思いは熱く、旧友もいいもんですね。
Old friends.
Memory brushes the same years.
Silently sharing the same fears
Time it was.
And what a time it was,
It was.....
A time of innocence,
A time of confidences.
Long ago... it must be...
I have a photograph.
Preserve your memories;
They’re all that’s left you
-Simon & Garfunkel : ‘Old Friends’ 続きを読む