2004年12月07日
パイポの煙(5)-雪とマント
雪の北大構内
(旧暦10月26日)
北国の冬は寒く、そして厳しい。
あれは、札幌に何度目かの新雪が積もった夜であった。
なぜ、一人で出かけたのか記憶は定かではないが、樺太から引揚げてきたおばちゃんが一人で切盛りしている小さな呑屋で酒を飲んだ。
人恋しくなったからかもしれない。
おばちゃんの明るい声が懐かしかったのかもしれない。
しこたま飲んだ。
一人だった。
帰る頃には、また深々と雪が降ってきた。
マントの上に、雪が白く積もっていった。
足が滑った。
朴歯の下駄を履いてきたことを後悔した。
足がまたすべった。
ふと気がつくと、人が声をかけていた。
「学生さん、こんなところで寝ていると凍死するぞ!」
どうやら、めったに車も通らない裏通りの道の真ん中で、
うずくまって意識を失っていたらしい。
黒いマントの上に、白い雪が積もっていた。
声をかけたのは、タクシーの運転手だった。
乗せてくれるように頼んだが、ダメだと言う。
下駄を脱いで雪道を歩いた。
痛くなるほど冷たい。
仕方がないから、走った。
足が痛い。
やっと帰り着いたとき、
いつものように、雪の中にひっそりと寮は建っていた。
今年、恵迪に入寮した雪を知らない息子に一言だけ注意をした。
「下駄を履いて酒を飲みに行くな!」
札幌に40cmもの雪が降ったと、朝のテレビが伝えている。
北国の冬は寒く、そして厳しい。
一人だった。
帰る頃には、また深々と雪が降ってきた。
マントの上に、雪が白く積もっていった。
足が滑った。
朴歯の下駄を履いてきたことを後悔した。
足がまたすべった。
ふと気がつくと、人が声をかけていた。
「学生さん、こんなところで寝ていると凍死するぞ!」
どうやら、めったに車も通らない裏通りの道の真ん中で、
うずくまって意識を失っていたらしい。
黒いマントの上に、白い雪が積もっていた。
声をかけたのは、タクシーの運転手だった。
乗せてくれるように頼んだが、ダメだと言う。
下駄を脱いで雪道を歩いた。
痛くなるほど冷たい。
仕方がないから、走った。
足が痛い。
やっと帰り着いたとき、
いつものように、雪の中にひっそりと寮は建っていた。
今年、恵迪に入寮した雪を知らない息子に一言だけ注意をした。
「下駄を履いて酒を飲みに行くな!」
札幌に40cmもの雪が降ったと、朝のテレビが伝えている。
北国の冬は寒く、そして厳しい。
パイポの煙(33)−お引っ越しのごあいさつ
パイポの煙(32)-御名御璽
パイポの煙(30)−震は四知を畏る
パイポの煙(29)−危急存亡の秋(4)
パイポの煙(28)−危急存亡の秋(3)
パイポの煙(27)−危急存亡の秋(2)
パイポの煙(32)-御名御璽
パイポの煙(30)−震は四知を畏る
パイポの煙(29)−危急存亡の秋(4)
パイポの煙(28)−危急存亡の秋(3)
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