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2006年08月11日

食べ物散歩(4)-全聚徳(王府井)

 食べ物散歩(4)-全聚徳(王府井)

 全聚徳(チュエンジュドゥー)王府井(ワンフーチン)店の北京烤鴨(ベイジンカオヤー)

 (旧暦  7月18日)

 北京料理とは狭い意味では、中国の歴代王朝が北京に首都を定めるようになった時代つまり元代以降に宮廷貴族が食べてきた料理のことで、明代、清代に集大成され、清朝崩壊による宮廷料理人の流出とともに中国全土に広まったとされています。
 
 特徴としては宮廷料理であったため、手の込んだ繊細で見栄えのする料理が多く、また華北地方であるため、米や魚よりも小麦粉や獣肉を多用していることにあると云われています。
 
 その北京料理の中でも代表的で有名な料理に、北京烤鴨(ベイジンカオヤー)、通称北京ダックがあります。

 日本で北京ダックを食べると、だいたい1テーブル8〜10人に1羽なので、ほとんどの人がひと包みの北京ダックしか食べられず、「もっと食べたいなあ〜」と思うのですが、今回、北京烤鴨(ベイジンカオヤー)で有名な全聚徳(チュエンジュドゥー)の王府井(ワンフーチン)店に行き、6人で2羽の北京ダックを注文したため、さすがに油っこくなって飽きてしまいました。
 何事も、程々が宜しいようです。

 北京ダックのお店は数々あれど、特に有名な店は「全聚徳(ぜんしゅとく)」と云われています。
 全聚徳は、清朝の第10代同治帝(1856〜1875、在位1861〜1875)の同治3年(1864)に現在の崇文区前門大街32号で創業し、当時東安門の「東海坊」の料理長でかつては宮廷で豚やアヒルを焼いていた料理人李師傳を料理長として引き抜いてから今日の名声を博したと云われています。

 なおこの前門前聚德北京烤鴨店は当時の北京城の外城正陽門(前門)の外側にありましたが、現在ではこの場所は天安門広場までは徒歩で5分、紫禁城までは徒歩で20分程度の絶好の場所に位置しています。
 そしてこの前門全聚徳烤鴨店、1950年代にできた王府井全聚徳烤鴨店、1970年代にできた和平門全聚徳烤鴨店の3店舗が全く独立した形で店舗を経営していたそうですが、1993年に「中国北京全聚徳集団」が設立されたことで、この3店舗が所属することになり、各地に全聚徳が開店するきっかけになったそうです。
 
 北京だけでも、前門、王府井、和平門、京信、北図、華威、聚欣の7店舗を有し、上海店や帝都東京でも新宿店、銀座店と各地に展開しているようです。

 「まるで北京ダックのケンタッキーフライドチキンや!」と云ったら、「中国北京全聚徳集団」から怒られるかも知れませんね!

 食べ物散歩(4)-全聚徳(王府井)

 この前聚德北京烤鴨店の特徴は、同治3年(1864)の創業以来、吊るし焼き(挂炉、コワルー)という調理法を守り続けていることにあるそうです。

 1987年創刊の中国在住日本人向けコミュニケーション紙『北京かわら版』の2000年9月号 「北京ダック大解剖!3.全聚徳を味わう」の記事によれば、その調理法とは以下のようになるそうです。
 1. 契約をした飼育場でアヒルを飼育する
 2. 全聚徳の配送センターでアヒルの解体を行う
 3. アヒルを乾燥させる
 4. 鴨湯と水を混ぜた液に浸ける
 5. 熱湯をアヒルの腹の中に入れる
 6. 220〜230度の窯で約50分焼く

 また余談ですが、現在の前門全聚徳の前身を作った楊寿山(字は全仁)が屋台で肉屋をしていた頃、毎日通る正陽門(前門)外の肉市胡同の果鋪店(果物の砂糖漬けお菓子を売る店)である「徳聚全」が倒産して売りに出されていたのを買い取り、炙り肉の店を開店させたのが始まりだそうです。

 「徳聚全」とは、「徳を以って全(すべ)てを聚(あつ)め、徳を以って財を得る」という意味で、楊寿山は風水師の提案により店舗名を逆さにして、「全聚徳」と名付けたとの言い伝えが残っているそうです。

 ま、とにかく一遍食べてみんしゃい!

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 21:46│Comments(0)食べ物散歩
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