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2005年08月25日

蒸気機関車(1)−ロコモーション号

 蒸気機関車(1)−ロコモーション号

 Locomotion is now housed in the Darlington Railway Centre and Museum.

 (旧暦  7月21日)

 学校に上がるまえの幼稚園のころ蒸気機関車に憧れ、毎日のように近くの操車場に見に行っていました。当時の操車場は、近くにある大手炭坑の石炭貨車の入替え作業で忙しく、9600形といった旧い型の機関車が主流でしたが、たまにかっこいいD51形がいるとわくわくしていつまで見ても飽きませんでした。

 ラジオなどで、「♪僕は特急の 機関士で・・・・」というテンポのいい楽しい歌をよく聴いたこともあり、大きくなったら絶対に国鉄の蒸気機関士になるのだと堅く心に誓っていました。
 ところで今調べてみると、「僕は特急の機関士で」という歌は、昭和25年(1950)に三木鶏郎が作詞・作曲し、森繁久弥と丹下キヨ子が歌っていたものでした。

 僕は特急の機関士で   可愛い娘が駅毎に
 いるけど三分停車では  キスするヒマさえありません
 東京 京都 大阪     ウウウウウウウウ ポポ

 さて、世界最初の蒸気機関車は、イギリスの鉱山機械技師チャード・トレビシック(Richard Trevithick、1771〜1833)が製作したペナダレン (Penydarren) 号とされています。
 ペナダレン号は重量 5t で、1つの蒸気シリンダーで直径約8フィート(2.4m)の大きなはずみ車を回し、そのはずみ車から歯車を介して左右各2つの動輪に力を伝達していました。
 1804年2月21日に、Merthyr TydfilからAbercanonまでの約9マイル(約14.4km)を、鉄10tと70人の乗客を乗せた5両の車両を牽引して走行することに成功しています。速度は時速5マイル(約 8km)程度だったそうです。
 しかし、機関車は故障しやすく、鋳鉄製のL型レールも強度不足でした。
 こうした欠点を改善して蒸気機関車の実用化に成功したのは、「鉄道の父」と呼ばれるジョージ・スティーヴンソン(George Stephenson 、1781〜1848)でした。
 彼は、機関車の前輪と後輪を連結桿で結んだ「ロコモーション号」を製作し、かつレールを丈夫な錬鉄(Wrought Iron)製に代えることによって課題を克服しました。

 「ロコモーション号」は、全長9m 機関車重量6.5tトン、動輪直径1,219mm ボイラ圧力1.7㎏の性能で、石炭と小麦粉の袋で満たされた36台の貨車を時速15マイル(24㎞)で運転出来たと記録されています。

 蒸気機関車(1)−ロコモーション号

 Illustration (1889) of Locomotion No 1 with tender and waggon (captioned 'Stockton & Darlington Engine and Car') from the period after 1857 when it was set on a pedestal near North Road railway station until moved to Darlington Bank Top in 1892.

 1825年9月27日、イングランド北部のダーラム州にあるStockton-on-TeesとDarlington間26 マイル(40 ㎞)に世界最初の蒸気機関車による鉄道が営業開始され、「ロコモーション号」により600人の乗客が運ばれましたが、最初の12マイル(19㎞)を走るのに2時間かかったそうで、ほとんどの乗客は無蓋の石炭貨車に乗らなければなりませんでした。

 その後試験的な旅客輸送サービスが確立されましたが、初期の機関車は遅く、当てになりませんでした。しかし、技術が発達し旅行時間は次第に減少していきましたが、このストックトン・ダーリントン鉄道(Stockton and Darlington Railway)はあくまでも内陸の石炭をティーズ川に面した港のあるストックトンに運ぶことを目的に設立されたものであり、旅客輸送は副業以上の何ものもでもありませんでした。

 なぜならば、当時の旅客輸送は鉄道馬車がまだまだ主力だったからでした。

 

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 11:34│Comments(0)蒸気機関車
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