焼酎(4)−麦焼酎(1)−常徳屋常圧蒸留

嘉穂のフーケモン

2005年06月09日 17:16

 

 (旧暦  5月 3日)

 大分県の北部、国東半島と福沢諭吉のふる里中津市の間に宇佐平野があり、その宇佐平野の中程、宇佐市大字四日市1205-2に明治40年創業の(有)常徳屋酒造場があります。
 
 創業時は清酒を製造していたようですが、昭和59年より麦焼酎のみの醸造を行い、平成15年より『常徳屋』として独立開業した蔵元です。

 この蔵元が発売している『常徳屋常圧蒸留』という25馬力の麦焼酎は、今後注目される焼酎の一つだそうです。
 通常、平地での大気圧は1気圧(1013hPa)で、これを常圧としていますが、常圧では水は約99.974℃で沸騰します。この常圧下でもろみを蒸留するのが、「常圧蒸留」だそうです。
 
 これに対し、標高3,776m(富士山頂)での気圧は0.63気圧(638Pa)と低くなり、水の沸点は87.4℃になります。この原理を利用し、蒸留機内の空気を真空ポンプで抜いて減圧し、低温でもろみを蒸留するのが「減圧蒸留」だそうです。

 「減圧蒸留」で造られた焼酎は軽快な味になりますが、芳醇なコクや原料本来に由来する味わいに乏しく、熟成にも耐えにくいと云われているようです。そして近年は、機械化による減圧蒸留が主流だとか。

 つまり『常徳屋常圧蒸留』は、昔ながらの手間暇かかる常圧蒸留で蒸留され、イオン交換処理を行わず、むぎ焼酎本来の深みのある濃厚で香ばしく豊かな香りが広がるむぎ焼酎にしあがっているのだとか。

 宣伝文句にも、「含んだ瞬間に感じる、ググッとくる厚みのある味わい。旨味成分が幾層にも重なり合って溶け込んでいるかのような、複雑で濃厚なコクと旨味。当然ながら余韻も長く深い。やみ付きになりそうなほどのインパクトの強さが持ち味。飲み方は、オンザロックでちびちびやるのがおすすめ、またお湯割りで、この上ない豊かな香りを楽しむのもおもしろい。」と紹介されています。

 むぎ焼酎もなかなかやるもんじゃごわさんか。
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