さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市中央区

ログインヘルプ


2009年11月23日

数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 Karl Schwarzschild (1873~1916)

 (旧暦 10月 7日)

 一葉忌 歌人中島歌子(1841~1903)の歌塾「萩の谷」で歌道、古典を学び、その後小説家半井桃水(1861~ 1926)に師事して小説を学んでわずか1年半の間に「たけくらべ」、「十三夜」、「にごりえ」といった秀作を発表して、25歳で肺結核により死去した小説家樋口一葉の明治29年(1896)の忌日。


 数学セミナー(22)-一般相対性理論(8)-重力方程式(4)のつづき


 そろそろ準備もでけましたけん、いよいよアインシュタインの重力方程式ば導いてみまっしょ。
 ここで、「何で今さらアインシュタインの重力方程式やねん?」との疑問もおありでしょう。

 1916年、球対称で自転せず且つ真空な時空を仮定してアインシュタインの重力方程式を初めて解いたのが、ドイツの物理学者、天体物理学者のカール・シュヴァルツシルト(Karl Schwarzschild、 1873~1916)でした。

 彼が導き出した特殊解(シュヴァルツシルト解、Schwarzschild metric)は、重力が強く、光さえも抜け出せない時空の領域であるブラックホール(Schwarzes Loch )の存在を示唆していました。
 シュヴァルツシルト解には、その原点r=0に特異性があり、それがブラックホールであると認識されるようになったのは1960年代のことであるとされています。

 つまり、私「嘉穂のフーケモン」は、大それたことに、このブラックホールを示唆するシュヴァルツシルト解を導くために、アインシュタインの重力方程式ば導きよるのですたい。

 ほんでは、行きまっしょ!

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 これを、リッチ・テンソル(Ricci tensor)と云います。また、リッチ・テンソル(Ricci tensor)は、対称となります。

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 ここで、縮約(summation)とは、下付き添字のひとつを上付き添字のどれかと同じ字に直すと、この添字については和をとることになります。これにより、ほんものの添字がもとのテンソルより二つ少ないテンソルができたことになります。

 ビアンキの恒等式は5個の添字を含むので、縮約を2度行ってダミーでない添字をひとつにします。

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 ところが、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 また、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 したがって、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)
 よって(1)式は、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 (3.2)式の第3項の添字αとρを入れ替えると、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 (3.3)式の第2項、第3項のαを縮約すると、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 ここで、第2項のダミー添字ρを第1項のαに統一すると、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 ここでアインシュタインは、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 ただし、

 数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)

 これでやっと、アインシュタインの重力方程式までたどり着くことができましたがな。

 次回は、このアインシュタインの重力方程式の意味と、定数κを求めてみませう。

 ちゅうことで、まだまだつづきまんがな。

あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(数学セミナー)の記事画像
数学セミナー(31)− ロバートソン・ウォーカー計量(1)
数学セミナー(30)− 調和座標
数学セミナー(29)—ガウスの定理、ストークスの定理
数学セミナー(28)ーテンソル密度
数学セミナー(27)ーシュヴァルツシルト解(3)
数学セミナー(26)ーシュヴァルツシルト解(2)
同じカテゴリー(数学セミナー)の記事
 数学セミナー(31)− ロバートソン・ウォーカー計量(1) (2017-10-17 20:53)
 数学セミナー(30)− 調和座標 (2014-04-05 07:29)
 数学セミナー(29)—ガウスの定理、ストークスの定理 (2013-07-11 15:49)
 数学セミナー(28)ーテンソル密度 (2012-11-11 21:59)
 数学セミナー(27)ーシュヴァルツシルト解(3) (2011-11-23 22:20)
 数学セミナー(26)ーシュヴァルツシルト解(2) (2011-06-05 14:34)
Posted by 嘉穂のフーケモン at 11:39│Comments(0)数学セミナー
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
数学セミナー(23)-一般相対性理論(9)-重力方程式(5)
    コメント(0)