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2007年07月16日

数学セミナー(13)-相対性理論(4)-特殊相対性理論(4)

 数学セミナー(13)-相対性理論(4)-特殊相対性理論(4) 

 Albert Einstein in 1904.

 (旧暦  6月 3日)

 数学セミナー(12)-相対性理論(3)-特殊相対性理論(3)のつづき


 ローレンツ変換は、アインシュタインが考えた「光速度が慣性系によらず一定」であることから導く簡単な方法があります。

 ここで慣性系(かんせいけい)とは、『慣性の法則』が成立する座標系であり、『慣性の法則』とは

 『静止している質点は、力を加えられない限り、静止を続ける。運動している質点は、力を加えられない限り、等速直線運動を続ける。』 

というものです。

 1900年に卒業したスイスのチューリッヒ連邦工科大学(Eidgenössische Technische Hochschule, ETH)に助手として残ることもできず、かといって博士号も持たず、臨時の代理教員や家庭教師のアルバイトで収入を得ていた無名の青年は、1902年、友人の父親の口利きでベルンのスイス特許庁に3級技術専門職(審査官)として就職することができました。

 1905年、彼は博士号を取得するために、“Zur Elektrodynamik bewegter Körper” (運動している物体の電気力学)という論文を母校のチューリッヒ連邦工科大学に提出しますが、受け入れられませんでした。しかし、この「特殊相対性理論」に関連する最初の論文は、ドイツの学術誌『Annalen der Physik』 第17巻 pp.891~921 に掲載されました。

 §2. Über die Relativität von Längen und Zeiten.
 Die folgenden Überlegungen stützen sich auf das Relativitätsprinzip und auf das Printzip der Konstanz der Lichtgeschwindigkeit, welche beiden Prinzipien wir folgendermaßen definieren.
 
 1. Die Gesetze, nach denen sich die Zustände der physikalischen Systeme ändern, sind unabhängig davon, auf welches von zwei relativ zueinander in gleichförmiger Translationsbewegung befindlichen Koordinatensystemen diese Zustandsänderungen bezogen warden.

 2. Jeder Lichtstrahl bewegt sich im „ruhenden“ Koordinatensysytem mit der bestimmten Geschwindigkeit V, unabhängig davon, ob dieser Lichtstrahl von einem ruhenden oder bewegten Körper emittiert ist. Hierbei ist
                           
        Geschwindigkeit = Lichtweg/Zeitdauer ,

wobei „Zeitdauer“ im Sinne der Definition des §1 aufzufassen ist.
 §2. 長さと時間の相対性
 次の考察は、相対性原理(das Relativitätsprinzip)と光速度不変の原理(das Printzip der Konstanz der Lichtgeschwindigkeit)を拠り所にしている。これら両方の原理を次のように定義する。
 
 1. 物理系の状態が変化する法則は、その状態変化に関係することになる座標系にある、互いが相対的に単調な並進運動をしている二つのどちらにも依存しない。

 2. 静止した座標系において、一定の速度Vをもって運動するいかなる光線も、その光線が静止した物体から放射されようと運動する物体から放射されようと、それについては依存しない。これに関しては、
    速度 = 光の経路/持続時間
である。
 その際に、持続時間(Zeitdauer)は、§1の定義の意味に理解される。


 なんや、ようわからんなあ!訳しかたが悪かったかなあ・・・。
 いやいや、若きアインシュタイン君がまわりくどい表現をしたのが悪いねん!

 英文の定義の方が簡潔でわかりやすいかも!

 First postulate - Special principle of relativity - The laws of physics are the same in all inertial frames of reference. In other words, there are no privileged inertial frames of reference.

 Second postulate - Invariance of c - The speed of light in a vacuum is a universal constant, c, which is independent of the motion of the light source.

 
 ちなみに日本語では、

 1. 力学法則はどの慣性系においても同じ形で成立する。(相対性原理)

 2. 真空中の光の速さは光源の運動状態に無関係に一定である。(光速度不変の原理)


 すっきりしとるやないけ~!


 では、前置きはこれくらいにしておいて、アインシュタイン君の方法に従って、ローレンツ変換を求めてみるべ!

 いま、互いに一定の早さvで相対運動している2つの慣性系 K ( x, y, z, t ) とK' ( x', y', z', t' )を考えてみます。慣性系 KとK'の空間座標の原点が一致した瞬間を原点、t = t' = 0とします。
 このときに原点から放射された光が真空中を伝わるとき、光の速さはどの系においても同じ値だとしていますから、同じ光の波面を、K ( x, y, z, t )系 とK' ( x', y', z', t' )系の観測者は、それぞれ球面方程式より、下記のように表現できます。

 数学セミナー(13)-相対性理論(4)-特殊相対性理論(4)
 
 以下つづく

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 22:30│Comments(0)数学セミナー
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