さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市中央区

ログインヘルプ


2005年11月21日

秋津嶋の旅(8)−陸奥(3)−銀山温泉

 秋津嶋の旅(8)−陸奥(3)−銀山温泉

 銀山温泉能登屋

 (旧暦 10月20日) 

 八一忌 早稲田大学名誉教授、東洋美術史学者であるとともに、歌人、書家としても足跡を残した秋艸道人(しゅうそうどうじん)会津八一の昭和31年(1956)の忌日
      むさしのの くさにとはしるむらさめの いやしくしくに くるるあきかな

 波郷忌 俳誌「鶴」を創刊し、主宰者として活躍した俳人石田波郷の昭和44年(1969)の忌日
      琅玕(ろうかん)や 一月沼の横たはり
      琅玕:中国の玉の名称で、青竹色をしている
  
 銀山温泉は、奥羽本線大石田駅から車で約40分くらいの山間に位置する静かな温泉郷です。ニジマスが泳ぐ銀山川の両側に13軒の木造3層、4層の旅館が軒を連ね、大正時代の古きよき面影を今に残しています。
 昭和58年(1983)にNHK連続テレビ小説「おしん」の舞台として紹介され、以来温泉地としてだけでなく観光面でも有名になりました。ドラマの中でおしんのお母さん(泉ピン子)が働いていた旅館は、写真の「能登屋」だったとか。
 
 この木造旅館は、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の中で八百万の神々が集う湯屋「油屋」のモデルになったのではとも聞きましたが、江戸東京たてもの園の子宝湯がモデルだともされているため、定かではありません。きっとこのようなさまざまな建築物を参考にしてデザインされたのでしょう。
 また、この13軒の旅館の中で違った面で有名なのが、旅館「藤屋」の女将さん、藤ジニーさんです。ジニーさんは、カリフォルニア州出身のアメリカ人で、昭和63年(1988)に英語の派遣指導教師助手として村山市に赴任し、平成3年(1991)にこの銀山温泉の旅館「藤屋」の7代目と結婚してその活躍がテレビでも紹介され、銀山温泉を代表する顔にもなっています。

 残念ながら、私「嘉穂のフーケモン」が訪れた11月初旬は、旅館「藤屋」は改築中で、ジニーさんは全国を講演中で不在とのことでした。

 銀山温泉の銀山の名前は、康正2年(1456)に加賀金沢の人、儀賀市郎左衛門が発見した延沢銀山に由来し、島根の石見銀山、兵庫の生野銀山とともに三大銀山と呼ばれるまでに発展、最盛期の寛永年間(1624〜1643)には各地から多くの労働者や商人が集りその数2万5千人、八百八町といわれる銀山町が作られていったといわれています。
 寛永11年(1634)には、幕府直轄の御公儀山となりましたが、元禄2年(1689)に大崩落が起きて全山廃山となりました。

 川沿いに湧き出した源泉は江戸期に入ってすぐに発見され、当初は銀山の鉱夫達に利用されていたそうですが、元禄2年(1689)の廃山後は地域の人も利用できるようになり、湯治場として盛んになりました。
 従って、このところ急に有名になったのではなく、昔から出羽の名湯として名高く、約62度の源泉の細かな湯花が混じった乳白色のお湯は、含食塩硫化水素高温泉として分類され、神経痛、リウマチ、皮膚病、創傷、成人病、婦人病等の効能があるとされています。

 このように賑わった温泉も、大正2年(1912)の大洪水で流失しましたが、その後現在のように建て替えられ、大正ロマンあふれる風情になっています。
 今度は、お母ちゃん(妻です)と、雪の季節に行ってみたいものですね。

あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(秋津嶋の旅)の記事画像
秋津嶋の旅(18)ー北陸道(1)ー金澤
秋津嶋の旅(17)ー東山道(1)ー旧制松本高等学校
秋津島の旅(15)−畿内(3)−石山御坊(1)
秋津嶋の旅(14)-西海道(2)-阿蘇火山
秋津嶋の旅(13)-西海道(1)-太宰府
秋津嶋の旅(13)-蝦夷が嶋(3)-すぐに来ちゃった函館
同じカテゴリー(秋津嶋の旅)の記事
 秋津嶋の旅(18)ー北陸道(1)ー金澤 (2012-06-28 10:01)
 秋津嶋の旅(17)ー東山道(1)ー旧制松本高等学校 (2011-07-09 22:35)
 秋津島の旅(15)−畿内(3)−石山御坊(1) (2010-06-24 20:17)
 秋津嶋の旅(14)-西海道(2)-阿蘇火山 (2009-05-14 11:04)
 秋津嶋の旅(13)-西海道(1)-太宰府 (2008-12-19 22:50)
 秋津嶋の旅(13)-蝦夷が嶋(3)-すぐに来ちゃった函館 (2008-11-22 20:57)
Posted by 嘉穂のフーケモン at 20:15│Comments(0)秋津嶋の旅
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
秋津嶋の旅(8)−陸奥(3)−銀山温泉
    コメント(0)