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2005年07月09日

古生代(3)−カンブリア紀(1)−三葉虫

 古生代(3)−カンブリア紀(1)−三葉虫

 Trilobites 

(旧暦  6月 4日)

 鴎外忌  陸軍軍医総監にして文人であった文豪、石見人森林太郎の忌日

 中学校の理科で習ったような記憶がありますが、特定の地質時代に生息していた特定の種の化石は「示準化石」と呼ばれ、地層の年代決定に用いられました。

 この手法は、イギリスの測量技術者ウィリアム・スミス(William Smith,1768〜1839)によって確立されました。彼は、イギリス産業革命により重要視された石炭の探査、炭鉱、輸送手段としての運河の開削事業に係わりましたが、その際削り取られた地層の重なりに注目してすでに提唱されていた「地層累重の法則」を確認し、産出した化石に基づいて地層を認定するという方法で、「層位学」の基礎を確立した人として有名です。

 一方、珊瑚や貝類など特定の気候、水温、水深などの環境に生息していた特定の種の化石は、「示相化石」と呼ばれ、地層が堆積した環境の特定に用いられます。
 
 三葉虫(Trilobite)は、古生代前期のカンブリア紀(約5億4500万年前〜5億500万年前まで)に出現し、古生代後期のペルム紀(約2億9000万年前〜2億5100万年前まで)に絶滅した節足動物で、古生代の示準化石になっています。
 三葉虫(Trilobite)という名前は、「中軸」および2つの「側葉」というように縦に3つの部分(肋葉)に分かれていることから名付けられたと云うことです。
 分布は世界中に広がり、化石としては1500属以上約1万種が発見されているそうです。また、体長は0.5〜70?ですが、2〜4?位のものが多いそうです。

 写真の三葉虫は、国立科学博物館の上野本館常設展示室(新館地下2階)に展示してある「アサフス目」(Asaphida) の一種で、カンブリア紀中期(約5億2000年前)〜シルル紀前期(4億3500万年前)に生息していたものです。

 三葉虫に興味のある方は、英国ロイヤル・ソサエティ会員でロンドンの国立自然史博物館(Natural History Museum)の主任古生物学者を務めるリチャード・フォーティ(Richard Fortey)氏が著した『三葉虫の謎』(原題Trilobite : Eyewitness to Evolution早川書房 )を覗いてみてください。

 またHPでは、子供のころに父親に買ってもらった三葉虫(エルラシア、レドリキア目Elrathia kingi)に魅せられ、三葉虫の虜になった人の『電脳三葉虫博物館』というサイトがあります。
http://homepage.mac.com/keiichiharada/flameset.htm

 三葉虫の中には、カタツムリみたいに目の飛び出したロシア産出の三葉虫(アサフス・コワレウスキイ, Asaphus kowalewskii)などもあり、そりゃ〜けったいなもんでっせ!
http://www.fossilmuseum.net/Fossil_Galleries/TrilobitesAsaphida.htm

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 14:30│Comments(0)古生代
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