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2005年05月16日

中生代(3)−白亜紀(3)−恐竜の絶滅(1)

 中生代(3)−白亜紀(3)−恐竜の絶滅(1)

 T. horridus skeleton mounted with modern limb-posture, Natural History Museum of Los Angeles County.

 (旧暦  4月 9日)

 透谷忌  詩人・北村透谷の明治27年(1894)年の忌日。

 約2億3000万年の中生代三畳紀(トリアス紀)後期から出現し、中生代ジュラ紀、白亜紀を通して地球上に君臨した恐竜類も、約6500万年前に忽然と姿を消してしまいました。

 それは、恐竜のみならず、約4億1000万年前の古生代デボン紀から繁栄してきたアンモナイトやその他の多くの動植物も、突然、そして永遠に姿を消してしまったのです。

 そのことは、古生物学者たちが発見した6500万年前の地層の産出化石の不連続から明らかになりました。

 この化石記録の不連続は、恐竜類が繁栄した白亜紀と哺乳類が繁栄する第三紀の境界に当たり、ドイツ語で白亜紀を意味するKreideと英語で第三紀を意味するTertiaryの頭文字を取って、「KT境界(KT boundary)」と呼ばれています。
 この化石記録の不連続の原因については、小惑星の衝突説や火山の噴火説などの可能性が議論されているようですが、まだ完全な決着はついていないようです。

 北イタリアのグビオ峡谷では、深海で堆積した石灰岩の地層が露出しており、ここでは、薄いKT境界粘土層をはさんで、白亜紀と第三紀の地層が連続して観察できます。

 中生代(3)−白亜紀(3)−恐竜の絶滅(1) 

 Badlands near Drumheller, Alberta, where erosion has exposed the K–T boundary.

 1970年代後半、ウォルター・アルヴァレズ(W. Alvarez)らカルフォルニア大学のバークレー・グループは、KT境界の粘土層が堆積に何年かかったかを正確に割り出すため、規則的に降り積もることから時計の役目を果たすイリジウムの分析を始めました。

 その結果、KT境界の粘土層と隣接した石灰岩に含まれていたイリジウムの量は、29逆磁極期の後半の50万年間に堆積した地層中に含まれているイリジウムの量に匹敵する量でした。つまり、定常的な宇宙塵の降下によって堆積するイリジウムの量ではなかったのです。

 そして1979年、直径10Kmの巨大な彗星あるいは小惑星が地球に衝突し、大量のイリジウムが大気中に放出されたという一つの仮説を提示したのでした。

 以下つづく

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 17:41│Comments(0)中生代
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