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2005年03月07日

新生代(4)-第三紀(4)-バシロサウルス

 新生代(4)-第三紀(4)-バシロサウルス

 バシロサウルス骨格化石 国立科学博物館

 (旧暦  1月27日)

 1832年、フイラデルフィアにあるアメリカ哲学協会にひとつの箱が届きました。中味は岩の塊で、ルイジアナのブライ判事という人の手紙がついていました。

 その塊は、ブライ判事が海の怪物であるかもしれないと信じたものの化石でした。

 この巨大な海洋生物の化石は、ルイジアナ州コロンビアの数マイル下流、ワシタ川に注ぐクリークに沿って続く険しい丘の側に埋まっていました。

 ブライ判事は、ワシタ川に沿って多くの地域を探検した北東ルイジアナ出身のアマチュア地質学者であり古生物学者でした。

 3年前の1829年、約40フィート(12m)の深さに埋まっていたと思われる化石化した骨格が激しい雨の後に丘の表面に露出しました。
 化石は約400フィート(120m)の長さにカーブした曲線に沿って、点々と見つかりました。
 近所の農夫が同じ化石のものと思われる大きな肋骨を持ち帰り、暖炉の薪置きにしたり、またほかの農夫は、約40ポンド(約18Kg)もある巨大な背骨をドア止めや花瓶台にしていました。

 その化石は、調査のため外科医で古生物学者のリチャード・ハーラン博士に贈られました。

 ハーラン博士は、それが海生爬虫類であるかもしれないと考えました。もっと多くの同じタイプの生物の骨が、顎を含めてアラバマから到着しましたが、顎は、ハーラン博士の爬虫類に関する理論を支持すると思われるようにくぼんでおり、この生物に「爬虫類の王」という意味のバシロサウルスという名前をつけました。

 その後、ブライ判事は、この化石を識別しようしてサンプルを多数の古生物学者に送りましたが、何年もの研究の後、ブライ判事が発見した動物は鯨のような哺乳動物であったという意見に到達しました。

 それは、以前には一度も発見されたことがない大きさと種類でした。この動物は、特別の分類に分けられ、ズーグロドン・ケトイデス(Zeuglodon cetoides)と名付けられました。

 新生代(4)-第三紀(4)-バシロサウルス

 Basilosaurus life restoration.

 バシロサウルス(ズーグロドン)は、4000万年前から3700万年前のテチス海を、細長い体をうねらせて泳いでいました。
 原始的な大型のクジラ類で、その非常に細長い体形から通称「ヘビクジラ」といわれています。鼻にはまだ嗅覚が残っていると思われ、胴体にはまだ痕跡的な後ろ足があるなど、陸生動物としての名残が見られます。

 ちなみに分類は、クジラ目-原始クジラ亜目(原鯨亜目)-バシロサウルス科です。

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Posted by 嘉穂のフーケモン at 21:43│Comments(0)新生代
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