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2005年01月26日

やまとうた(5)−八千種(やちくさ)の花は移ろふ常盤なる

 

 金沢兼六園の根上松

 (旧暦 12月17日)

 二月の某日(それのひ)、式武大輔(のりのつかさのおほきすけ)中臣清麿朝臣が宅にて、宴する歌十首(とを)

 八千種(やちくさ)の花は移ろふ常盤(ときは)なる 松のさ枝を我れは結ばな     (巻20−4501)

 右の一首は、右中弁大伴宿禰家持


 もろもろの花は色あせてしまいます。いつまでも色あせない松の枝を私たちは結びましょう。
 
 天平宝字2年(758)2月、家持の母の従兄弟にあたる中臣清麻呂(なかとみのきよまろ)(702〜788)の邸宅で行われた宴席での歌ですが、当時、松の枝を結ぶことで、幸せを祈る風習があったようです。
 大伴宿禰旅人(おおとものすくねたびと)(665〜731)の長男として生まれた大伴家持(718?〜785)は、天平3年(731)7月、父旅人の死去に伴い、14歳にして佐保(現在の奈良市法華寺町・法蓮町一帯)大伴家を引継ぐことになりました。

 万葉を見る限り、その歌作は、天平4年前後、15歳頃に始まっています。

 天平4年(732)頃から、従妹で後に正妻となった坂上大嬢(おおいらつめ)や笠女郎(かさのいらつめ)と相聞(したしみうた)を交わし、736(天平8)年9月には「大伴家持の秋の歌四首」(巻8)を作っていますが、これが制作年の明らかな最初の歌です。

 大伴家持が秋の歌四首(よつ)

 1566 久かたの雨間(あまま)も置かず雲隠り 鳴きぞゆくなる早稲田(わさだ)雁が音
 
 1567 雲隠り鳴くなる雁の行きて居む 秋田の穂立繁くし思ほゆ

 1568 雨ごもり心いふせみ出で見れば 春日の山は色づきにけり

 1569 雨晴れて清く照りたるこの月夜 また更にして雲なたなびき

 右ノ四首ハ、天平八年丙子秋九月ニ作メリ


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Posted by 嘉穂のフーケモン at 09:34│Comments(0)やまとうた
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