2004年12月18日
歌舞伎(2)-勧進帳(2)
東宝映画 「虎の尾を踏む男たち」 主演 大河内傳次郎
(旧暦11月7日)
旅の衣は篠懸(すずかけ)の、旅の衣は篠懸の、露けき袖やしおるらん。
時しも頃は、如月の、如月の十日の夜、月の都を立ち出でて、行くも帰るも別れても、知るも知らぬも逢坂の山隠す霞ぞ、春はゆかしける、浪路はるかに行く船の、海津の浦に着きにけり。
(長唄「勧進帳」)
今年になって、ケーブルテレビの日本映画専門チャンネルで何気なく、1945年の東宝映画、「虎の尾を踏む男たち」を見たことがあります。
この映画は、監督・脚本:黒澤明、弁慶に大河内傳次郎、富樫左衛門に藤田進、強力(荷物持ち)に榎本健一(エノケン)を配して、勧進帳をモチーフにした映画でしたが、大河内弁慶のせりふ、振舞いの物々しさと、弁慶が富樫左衛門から送られた酒を大杯で飲み干す場面が特に印象に残っていました。
今回、歌舞伎の勧進帳を見て、黒澤明監督は、歌舞伎の演技を元に演出していたことが分かりました。
さて、今回の富樫左衛門役は、今売り出し中の9代目松本幸四郎の子息、高麗屋市川染五郎が演じましたが、その前の、「花雪恋手鑑」(はなふぶきこいのてかがみ)では、放蕩息子の若(バカ)旦那を演じてたので、富樫左衛門などという重い役のイメージがわきませんでしたが、どうしてどうして、堂々たる芝居、そしてまるで博多人形を見ているかのような凛々しさは、今後注目して、贔屓にしていきたいと思ってしまいました。
また、義経役の七世中村芝雀の甲高い声での名せりふ、「いかに弁慶、道々も申す如く、かく行く先々に関所あっては所詮、陸奥(みちのく)までは思いもよらず、名もなき者の手にかからんよりはと、覚悟はとくよりきわめたれど、各々の心もだしがたく、弁慶の言葉に従い、かく強力とは姿を変えたり。面々計ろう旨ありや。」の「いかに弁慶・・・」が強く印象に残りました。
今回、歌舞伎の勧進帳を見て、黒澤明監督は、歌舞伎の演技を元に演出していたことが分かりました。
さて、今回の富樫左衛門役は、今売り出し中の9代目松本幸四郎の子息、高麗屋市川染五郎が演じましたが、その前の、「花雪恋手鑑」(はなふぶきこいのてかがみ)では、放蕩息子の若(バカ)旦那を演じてたので、富樫左衛門などという重い役のイメージがわきませんでしたが、どうしてどうして、堂々たる芝居、そしてまるで博多人形を見ているかのような凛々しさは、今後注目して、贔屓にしていきたいと思ってしまいました。
また、義経役の七世中村芝雀の甲高い声での名せりふ、「いかに弁慶、道々も申す如く、かく行く先々に関所あっては所詮、陸奥(みちのく)までは思いもよらず、名もなき者の手にかからんよりはと、覚悟はとくよりきわめたれど、各々の心もだしがたく、弁慶の言葉に従い、かく強力とは姿を変えたり。面々計ろう旨ありや。」の「いかに弁慶・・・」が強く印象に残りました。
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