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2014年03月21日

クラシック(25)— ヘンデル(1)— ユダス・マカベウス

 

 

  George Frideric Handel, born in 1685, the same year as Johann Sebastian Bach and Domenico Scarlatti. By Balthasar Denner (c. 1726–1728)

 (旧暦2月21日)


  和泉式部忌


 

  菊池容斎『前賢故実』より
 
  平安中期の歌人、中古三十六歌仙の一人、和泉式部の忌日。
  生没年は不詳だが、摂政太政大臣藤原道長(966〜1028)が、むすめの上東門院彰子(988〜1074)に仕えていた和泉式部のために、法成寺東北院内の一庵を与えたのが起源とされる華嶽山東北寺誠心院に墓所があり、毎年3月21日に法要が営まれるている。
  父である越前守大江雅致(まさむね)の式部省の官名から「式部」(一説には養女)、夫であった橘道貞の任国和泉から「和泉式部」と呼ばれたとされる。

  恋愛を詠んだ秀歌が多い反面、その恋愛遍歴から、藤原道長からは「うかれめ」と揶揄され、紫式部からは「和泉はけしからぬ方こそあれ」と評されている。

  和泉式部といふ人こそ、面白う書き交しける。されど、和泉はけしからぬ方こそあれ。うちとけて文走り書きたるに、そのかたの才ある人、はかない言葉のにほひも見え侍るめり。歌はいとをかしきこと、ものおぼえ、歌のことわり、まことのうたよみざまにこそ侍らざめれ。口にまかせたることどもに、かならずをかしき一ふしの、目とまる詠み添へ侍り。それだに人の詠みたらん歌なん、ことわりゐたらんは、いでやさまで心は得じ。口にいと歌の詠まるゝなめりとぞ、見えたるすぢに侍るかし。恥づかしげの歌よみやとは覺え侍らず
  『紫式部日記』


  『和泉式部集』(正集)、『和泉式部続集』のほか、「宸翰本」「松井本」などと呼ばれる略本(秀歌集)があり、勅撰二十一代集に二百四十五首を入集している。


  御影供


 

  『風信帖』(第1通目)空海筆 

 真言宗の開祖、弘法大師空海が承和二年(835)に、高野山奥の院で入寂したとされる日。

  《承和二年(八三五)三月丙寅【廿一】》
  丙寅。大僧都傳燈大法師位空海終于紀伊國禪居。

  《承和二年(八三五)三月庚午【廿五】》
  庚午。勅遣内舍人一人。弔法師喪。并施喪料。後太上天皇有弔書曰。眞言洪匠。  
  密教宗師。邦家憑其護持。動植荷其攝念。豈圖崦○未逼。無常遽侵。仁舟廢棹。
  弱喪失歸。嗟呼哀哉。禪關僻在。凶聞晩傳。不能使者奔赴相助茶毘。言之爲恨。
  悵悼曷已。思忖舊窟。悲凉可料。今者遥寄單書弔之。著録弟子。入室桑門。悽愴
  奈何。兼以達旨。法師者。讃岐國多度郡人。俗姓佐伯直。年十五就舅從五位下
  阿刀宿禰大足。讀習文書。十八遊學槐市。時有一沙門。呈示虚空藏聞持法。其經
  説。若人依法。讀此眞言一百萬遍。乃得一切教法文義諳記。於是信大聖之誠言。
  望飛焔於鑽燧。攀躋阿波國大瀧之嶽。觀念土左國室戸之崎。幽谷應聲。明星來影。
  自此慧解日新。下筆成文。世傳。三教論。是信宿間所撰也。在於書法。最得其妙。
  與張芝齊名。見稱草聖。年卅一得度。延暦廿三年入唐留學。遇青龍寺惠果和尚。
  禀學眞言。其宗旨義味莫不該通。遂懷法寳。歸來本朝。啓秘密之門。弘大日之
  化。天長元年任少僧都。七年轉大僧都。自有終焉之志。隱居紀伊國金剛峯寺。化
  去之時年六十三。
   『續日本後紀』 卷第四


  米国アナポリスの海軍兵学校では、卒業式のあと、少尉候補生の制服姿になった未来のアドミラルたちが、三々五々、恋人といっしょに、ラヴ・レインという校内の森の小径に消えて行くそうだが、江田島ではそういう風習はない。しかし、恩賜の短剣を受ける時には、一人々々、ヘンデルの歓喜の合唱曲、「ユダス・マカベウス」が奏せられ、ちょっと日本ばなれした荘厳で美しい式典である。
  『軍艦長門の生涯』 阿川弘之
 


  「ユダス・マカベウス」(Judas Maccabaeus)は、バロック期を代表する重要な作曲家の一人とされている、ドイツ生まれでイギリスに帰化した作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel,1685〜1759)のオラトリオ(聖譚曲)HWV(Händel-Werke-Verzeichnis)63の題名です。

  初演は1747年4月1日、ロンドンのコヴェント・ガーデン(王立歌劇場)で、同じくヘンデルのオラトリオ、メサイア (Messiah)HWV56 に次いで人気の高いオラトリオです。
  ここで阿川弘之氏が云う合唱曲「ユダス・マカベウス」とは、オラトリオ「ユダス・マカベウス」の第3幕で歌われる「見よ、勇者は還りぬ」の合唱曲のことだと思われます。
 
 
  CHORUS OF YOUTHS
  See the conqu’ring hero comes,

  Sound the trumpets, beat the drums,
  Sports prepare, the Laurel bring,

  Songs of triumph to him sing.


  見よ、勇者は還りぬ
  吹けや角笛、叩けや太鼓
  備えよスポーツ(競技)、ローレル(月桂樹)かざし
  勝利の歌を勇者に歌え
 


  CHORUS OF VIRGINS
  See the godlike youth advance!
  Breathe the flutes, and lead the dance;
  Myrtle wreath, and roses twine,
  To deck the hero's brow divine.


  見よ、神のごとき若者の進むを!
  吹けや横笛、ダンスを導け
  マートル(銀梅花)の花輪、バラの小束
  神々しい 勇者の額を飾るため

  
  CHORUS
  See, the conqu'ring hero comes!
  Sound the trumpets, beat the drums.
  Sports prepare, the laurel bring,
  Songs of triumph to him sing.


  見よ、勇者は還りぬ
  吹けや角笛、叩けや太鼓
  備えよスポーツ、ローレル(月桂樹)かざし
  勝利の歌を勇者に歌え

  (嘉穂のフーケモン拙訳)



  この曲は、日本では表彰式におけるBGMとして流されるメロディとしてよく知られていますが、そのルーツは旧帝国海軍にあったのでしょうかねえ。

  Originally composed as 'Chor der Jünglinge' (Text: 'See the conqu'ring hero comes') in the 3rd movement of the Oratoriums Josua, Händel later inserted this choir also into 'Judas Maccabäus'. 




  もともと、オラトリア「ヨシュア」の第3幕の「青年の合唱」(本文:「見よ、勇者は還りぬ」)として作曲されましたが、ヘンデルは後にこの合唱を「ユダス・マカベウス」の中にも入れました。


  Around 1820, Johann Joachim Eschenburg (other sources attribute it to Friedrich Heinrich Ranke) added the text 'Tochter Zion, freue dich' and turned the song into an advent carol. Currently, it belongs to the most well-known and most often sung Christmas songs in the German-speaking countries."


  1820年頃、ヨハン・ヨハイム・エッシェンブルク(1743〜1820)[一説にはフリードリッヒ・ハインリヒ・ランケ(1798〜1876)の作とも]が「喜べ、シオンの娘よ」の本文を追加して、降誕祭の祝歌にしました。現在では、ドイツ語圏では最もよく知られ、最もよく歌われるクリスマス・ソングとなっています。


  An Easter hymn was later written in French to the same tune by the Swiss Edmond L. Budry and was translated from French to English by Richard B. Hoyle (1875〜1939) in 1923.


  復活祭の賛美歌は、後にスイスのエドモンド・ルイス・バドリー(1854〜1932)によって同じ調べでフランス語で書かれ、リチャード・B・ホーリーによって1923年に英語に翻訳されました。

  

  Tochter Zion, freue dich                  Daughter of Zion, Rejoice
  Christmas Carol                               Christmas Carol
  (German)                                        (English)

  Tochter Zion, freue dich!                 Daughter of Zion, rejoice!
  Jauchze, laut, Jerusalem!                Cheer loudly, O Jerusalem!
  Sieh, dein König kommt zu dir,        Behold, your King comes to you,
  Ja er kommt, der Friedenfürst.        Yea, he is the Prince of Peace.
  Tochter Zion, freue dich!                 Daughter of Zion, Rejoice!
  Jauchze, laut, Jerusalem!                Cheer loudly, O Jerusalem!



  喜べ シオンの娘よ
  喜びの声をあげよ エルサレムよ 
  見よ お前の王が今し来たる
 
  そうだ 平和の君が今し来たる
  喜べ シオンの娘よ
  喜びの声をあげよ エルサレムよ


  Hosianna, Davids Sohn,                   Hosanna to the Son of David,
  Sei gesegnet deinem Volk!              Blessed be thy people!
  Gründe nun dein ewig Reich!           Thy eternal Kingdom comes,
  Hosianna in der Höh'!                       Hosanna in the Highest!
  Hosianna, Davids Sohn,                    Hosanna the Son of David,
  Sei gesegnet deinem Volk!              Blessed be thy people!


 
  万歳(ホサナ) ダヴィデの子 
  その民にも祝福を!

  今や お前の永遠の王国を建てよ 
  万歳(ホサナ) いと高きところに 
  万歳(ホサナ) ダヴィデの子 
  その民にも祝福を!

 



  Hosianna, Davids Sohn,                   Hosanna to the Son of David,
  Sei gegrüßet, König mild!                Be welcome, gentle King!
  Ewig steht dein Friedensthron,       Peace is your Throne forever,
  Du, des ew'gen Vaters Kind!           You, the Father's only Son.
  Hosianna, Davids Sohn,                   Hosanna to the Son of David,
  Sei gegrüßet, König mild!                Be welcome, gentle King!

  
  万歳(ホサナ) ダヴィデの子 
  喜び迎えよ やさしき王を!
 
  平和は お前の永遠の王座 
  君よ 永遠の神の子よ!
 
  万歳(ホサナ) ダヴィデの息子 
  喜び迎えよ やさしき王を!

  (嘉穂のフーケモン拙訳)


 「ユダス・マカベウス」は、1746年にスコットランドで起きた名誉革命の反革命勢力ジャコバイトによるグレートブリテン王国に対する最後の組織的抵抗を鎮圧した指揮官カンバーランド公爵ウィリアム・オーガスタス(William Augustus, Duke of Cumberland、1721〜1765)が、スコットランドから帰還するのを祝って計画されたものです。  続きを読む

Posted by 嘉穂のフーケモン at 16:35Comments(0)音楽/クラッシック