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2008年11月19日

北東アジア(32)-奉天討胡檄(2)

  

 A scene of the Taiping Rebellion.

 (旧暦 10月21日)

 一茶忌 信濃が生んだ江戸期を代表する俳人一茶小林弥太郎の文政10年(1828)の忌日。
       
 門の木も 先つゝがなし夕涼         寛政三年辛亥  (二十九歳) 
 是がまあ つひの栖(すみか)か雪五尺  文化九年壬申  (五十歳)


 勇忌、かにかく忌  耽美頽唐な歌風を築いた歌人、脚本家、小説家にして、元薩摩藩士吉井友実の孫、元伯爵吉井勇の昭和35年(1960)の忌日。
       
 かにかくに 祇園は恋し寝るときも 枕の下を水の流るる

 北東アジア(31)-奉天討胡檄(1)のつづき

 キリスト教を基にした宗教教団の拝上帝会が、太平天国を名乗って挙兵したのは、道光30年(1850)12月10日のことでした。

 そして拝上帝会から「太平天国」になった決起軍の中には、「女営」と呼ばれる婦人部隊も含まれていました。男性軍隊とは隔離され、男性が女営に近づいたり、女性と会ったりすれば、それが夫婦、兄弟であっても死罪となる大変厳しい軍律が科せられていました。

 そのような切迫した情勢の中で蜂起した民衆にとっては、奉天討胡檄の激越な文章は、多くの人々を煽動し興奮させました。

 夫れ中國には中國の形像有り、今、滿洲は悉く削發(削髪:髪をそる)を令し、一長尾(辮髪)を後に拖(ひ)く、是れ中國の人をして變じて禽犬と為す也。

 そもそも中国には中国の形象があるのに、今満洲はことごとく髪を剃らせ、辮髪を後ろに垂らさせている。これは中国の人を禽獣に変えるものだ。

 中國には中國の衣冠有り、今、滿洲另(わか)ちて頂戴(ちんたい:官吏の等級のしるし)を置く、胡衣猴冠、先代の服冕(ふくべん:服と冠)を壞(こは)す、是れ中國の人をして其の根本を忘(ばう)す也。

 中国には中国の衣冠(装束)があるのに、今満洲は頂戴(ちんたい:官吏の帽子の頂に、珠玉、金石をつけてその等級を区別するしるし)を設け、胡の服、猿の冠をつけさせて、先代の衣冠を壊した。これは中国の人にその伝統を忘れさせるものだ。
 
 中國には中國の人倫(人種)有り、前の偽妖(ぎよう:偽帝)康熙、暗(ひそか)に韃子(だつし:韃靼人)一人に令して十家を管(くわん:管理する)し、中國の女子を淫亂せしむ、是れ中國の人をして盡(ことごと)く胡種と為すを欲する也。

 中国には中国の人種があるのに、前の偽帝妖王康熙帝(清の第4代皇帝、在位1661~1722)は、密かに満洲人一人に中国人の家十戸を管理させ、中国の婦女子を犯させた。これは中国の人をことごとく満洲人にしようとするものだ。
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Posted by 嘉穂のフーケモン at 20:13Comments(0)歴史/北東アジア