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2008年05月15日

歴史/ ヨーロッパ(2)-タタールのくびき(1)

 

 All significant conquests and movements of Genghis Khan and his generals during his life time from Wikipedia.
 
 (旧暦  4月11日)

 PUCK
 I go, I go; look how I go,
 Swifter than arrow from the Tartar's bow.
 A Midsummer Night’s Dream -Act III, SCENE II : Another part of the wood.-


 パック(いたずら小僧の妖精)
 行きます、行きます、ほらこのとおり、
 韃靼(ダッタン)人の矢よりも早く。
 「夏の夜の夢」  第3幕第2場:森の別の場所


 シェークスピアの喜劇「夏の夜の夢」に出てくるいたずら小僧の妖精パックは、妖精の王オーベロンに、森の中を風よりも早く駆け回り、恋のきちがいすみれ(三色すみれ、 love-in-idleness)の花の汁を塗られて、ロバに変えられた職人ボトムに恋した妖精の女王タイターニアを連れてくるように命ぜられます。

 そこで妖精パックは、「韃靼(ダッタン)人の矢よりも早く」と云い残してすっ飛んで行きます。
 それほど「韃靼(ダッタン)人の矢」の速さは、中世ヨーロッパ人に脅威を与えたという言い伝えがあるのでしょうか。

 韃靼(ダッタン)とは中国語で塞外の民族を漠然と指す名称で、アラビア語ではタタル、ロシア語では Татар(タタール)、西ヨーロッパの諸言語では Tartar(タルタル)と呼ばれてきました。
 ここでタタールというのは元来はモンゴルの一種族を指す言葉でしたが、チンギス・ハーンが西征の際、ユーラシア平原の多くの遊牧民族をその支配下に治めて西征軍に加えたことから、ヨーロッパではギリシア語のタルタロス(Tartaros、地獄)の連想もあって、モンゴル=タタール勢のことをタタールと呼ぶようになったと云います。  続きを読む

Posted by 嘉穂のフーケモン at 21:06Comments(0)歴史/ヨーロッパ