さぽろぐ

文化・芸能・学術  |札幌市中央区

ログインヘルプ


スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  
Posted by さぽろぐ運営事務局 at

2005年07月16日

詩歌(3)−北帰行

 

 雪の北大旧理学部 

 (旧暦  6月11日)

 窓は夜露にぬれて 都すでに遠のく
 北へ帰る旅人ひとり 涙流れてやまず

 建大一高旅高 追われ闇をさすらう
 汲めど酔わぬ恨みの苦杯 嗟嘆ほすに由なし

 富も名誉も恋も 遠きあこがれの日の
 淡きのぞみはかなきこころ 恩愛我を去りぬ

 わが身容るるにせまき 国を去らんとすれば
 せめて名残りの花の小枝 尽きぬ未練の色か

 いまは黙して行かん 何をまた語るべき
 さらば祖国わがふるさとよ あすは異郷の旅路

 [旅順高等学校寮歌 作詞・作曲 宇田博]

 同じく宇田博氏が作詞した第1回寮歌「薫風通ふ」で有名な旅順高等学校は、昭和15年(1940)、旧制高等学校唯一の外地の学校として中国遼東半島の租借地関東州旅順に設置されました。官立ではありますが、旧文部省の管轄ではなく、旧拓務省所管の関東州立でした。

 薫風通ふ春五月 父祖奮戦の地に立てば
 肉弾のあと草萌えて 楊柳岸に陰淡く 渤海湾の波青し
  続きを読む

Posted by 嘉穂のフーケモン at 16:54Comments(0)詩歌