2005年07月08日
クラシック(13)−スメタナ(1)−交響詩ヴィシェフラード
Bedřich Smetana(1824〜1884)
(旧暦 6月 3日)
《ヴィシェフラード (Vysehrad) 》は、チェコ共和国の首都プラハの南のヴルタヴァ川(Vltava)東岸にそびえ立つお城の名前です。因みに、モルダウ(Moldau)はヴルタヴァ川のドイツ語名です。
詩人は、《ヴィシェフラード》の岩を眺めながら、伝説上の吟遊詩人であるルミールのハープの響きをこころの中に聞きます。そして、昔の《ヴィシェフラード》の栄光と輝き、闘争と勝利の歴史が語られます。
しかし、詩人は間もなくその栄光の没落を見ます。激しい戦いが行われた末に、無惨な敗北がもたらされます。
《ヴィシェフラード》はすっかり荒れ果て、見棄てられてしまいます。そこはもう、過去の栄華の一つでしかありません。
やがて、長く沈黙していたルミールのハープの響きが、訴えかけるように響いてきます。
この「ヴィシェフラードのモチーフ」は、交響詩『わが祖国』全6曲を通して活用され、動機付け(モチベーション)として重要な役割を果たしています。 続きを読む